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一時急落のドル円、今夜の米CPIに注目か

一時急落のドル円、今夜の米CPIに注目か

一時急落のドル円、今夜の米CPIに注目か

掲載日:2026.05.12

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本日のポイント

  1. 1 米・4月消費者物価指数(CPI)
  2. 2 米・10年債入札

11日のNY市場ではドルが小幅に上昇した。トランプ米大統領が戦闘終結に向けた米国の覚書に対するイランの回答を拒否したことで紛争再開への懸念が高まり、有事のドル買いが意識されたことが背景にある。ただ、ドルは序盤の高値からは失速しており、一方向に強く買われる展開ではなかった。こうした中、ドル円は前半に一時156.98円まで下落する場面はあったが、後半にかけて上昇し157.24円の高値をつけた。一方、ユーロドルは1.17ドル台後半での推移となった。全体としては、ドル買い優勢ながらも値動きは限定的だった。

本日の東京市場では、ドル買いが優勢で推移していたものの、14:00台にドル売り・円買いが急速に進んだ。中東情勢の先行き不透明感を背景に有事のドル買いが意識され、ドル円は東京時間の前半に底堅く推移した。一方、ベッセント米財務長官の訪日中の発言や日本の為替当局の対応を見極めたいとの警戒感もあると考えられる。こうした中、ドル円は朝方から上昇し157.74円の高値をつけた後、14:00にかけて一時156.75円まで急落した。なおその後は反騰を試している。ユーロドルは朝方から軟調に推移し、1.1752ドルまで下落した後、一時1.1768ドルまで買い戻されたが、再び下落が強まっている。

本日のポイントは、21:30の米・4月消費者物価指数(CPI)と、26:00の米・10年債入札だ。CPIは米国のインフレ動向を示す最重要指標のひとつで、FRBの金融政策見通しに大きく影響しやすい。前回3月分は総合CPIが前月比+0.9%、前年比+3.3%、コアCPIは前月比+0.2%、前年比+2.6%だった。今回は総合CPIが前月比+0.6%、前年比+3.7%、コアCPIが前月比+0.3%、前年比+2.7%と見込まれており、前年比ではインフレ率の再加速が意識されやすい。特に、原油価格の高止まりが総合指数にどこまで反映されるかに加え、食品・エネルギーを除くコア指数の伸びが強まるかが焦点となる。結果が予想を上回ればFRBの利下げ観測が後退し、米金利上昇を通じてドル買いにつながりやすい一方、予想を下回ればインフレ再加速への警戒が和らぎ、ドル売り材料となる余地がある。また、26:00には米10年債入札が予定されている。CPI通過後のタイミングでもあるため、入札結果は米長期金利の反応を確認する材料になりやすい。応札が弱ければ長期金利の上昇を通じてドルを支える可能性がある一方、無難に通過すれば金利上昇への警戒が和らぎ、ドルの上値を抑える材料となる余地がある。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。