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週末の米雇用統計を睨んだ値動きとなるか

週末の米雇用統計を睨んだ値動きとなるか

週末の米雇用統計を睨んだ値動きとなるか

掲載日:2025.09.01

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本日のポイント

  1. 1 欧・8月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
  2. 2 欧・7月失業率

29日のNY市場では、序盤はドル買い優勢。ドル円は一時147.4円まで上昇した。21:30に発表された米・7月PCE価格指数は市場予想通りの結果となり市場の反応は薄かった。しかし、22:45に発表された8月シカゴ購買部協会景気指数、23:00の8月ミシガン大学消費者態度指数(確報値)が予想より弱い結果となり、ドル売り。ドル円は一時146.76円まで反落した。その後は147円前後での小幅な値動きが引けまで続いた。トランプ大統領によるクックFRB理事の解任がドルの重しとなっている中、雇用統計待ちで小幅な値動きが続くか。

本日の東京市場では、序盤はドル買い優勢。しかしドル円は金曜のNY市場で付けた高値147.4円に届かず反落。146.8円から147円で揉み合いとなった。ユーロドルは終始堅調に推移。先週金曜高値の1.1742ドルを超えられるか注目。日経平均は続落した。午前中に値を下げ、後場寄り付き直後には一時、前営業日比883円安となる4万1,835円をつけた。その後は押し目買いが入り下げ渋る。大引けでは前営業日比529円安の4万2,188円となった。

本日の指標は、17:30の欧・8月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値の発表が予定されている。PMIは製造業の購買担当者の景況感を確認できる指標で、50を超える測定値ならば、製造業の景況感の拡大を示し、50を割り込むと景況感の悪化を示す。今回の市場予想は速報値通りの50.5。市場予想に反して50を下回るとユーロの売り材料となる可能性あり。また、18:00には欧・7月失業率が発表される。ユーロ圏の失業率は米国や日本と比べ高い値となっているが、2013年以来減少傾向。先月発表された6月分は6.2%で過去最低水準となった。今回の市場予想は6.2%と過去最低水準の維持が見込まれている。予想を下回ればユーロの買い材料となるか。なお、本日は米国がレイバー・デー(祝日)のため、NY市場での値動きが限定的となる可能性がある。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。