米労働市場懸念でドルの上値重い展開か

掲載日:2025.09.04
本日のポイント
- 米・8月ADP雇用統計
- 米・8月ISM非製造業景況指数
3日のNY市場では、ドル円が147.9円台まで下落。23:00に発表された米・7月JOLTS求人件数の結果(718.1万件)が市場予想(737.8万件)を下回ったことを受け、9月FOMCでの利下げ観測が強まったことが影響した。下落後も上値重く、147.9円台~148円で推移した。ユーロドルはJOLTS求人件数の発表を受けて一時1.168ドル台前半まで上昇したものの、上値重く伸び悩んだ。昨日約4ヶ月ぶりに史上最高値を更新したゴールドは続伸し、一時3,578ドル台をつけた。
本日の東京市場では小幅な円売りドル買いで推移した。ドル円は東京市場序盤では売り買い入り交じり、一時147.8円まで下落したもののその後は反転上昇。日本の政局不安などを背景に円がやや売られた。ただ、昨夜発表されたJOLTS求人件数の結果が弱かったこともあり、ドルの上値も重く、148円台前半で伸び悩んだ。ドルはユーロに対しても小幅に買われており、ユーロドルはやや下落。NY市場で史上最高値を更新したゴールドは反落し、一時3,511ドルの安値をつけた。
本日の指標は、21:15に米・8月ADP雇用統計の発表が予定されている。同指標は、民間調査会社のADP社が、自社の顧客である全米約40万社の給与データから民間の非農業部門雇用者数の増減を調査した指標。米労働省が発表する雇用統計よりも先に発表されるため、雇用統計の先行指標として注目される。今回の市場予想は6.5万人で、前回の10.4万人から減少する見込み。米国労働市場への注目度がいつも以上に高まっているため、市場予想と結果に乖離があれば相場へのインパクトが強くなる可能性がある。また、23:00には米・8月ISM非製造業景況指数の発表がある。米国の非製造業の購買担当者を対象に景況感のアンケート調査を実施した指標で、50が景気拡大と景気後退の分水嶺とされている。今回の市場予想は51.0と前回(50.1)より高い予想。2ヶ月ぶりの上昇が見込まれている。2日に発表された製造業の景況指数では市場予想を下回り、ドルが売られることとなった。そのため、今回の非製造業景況指数が市場予想を下回れば、9月FOMCでの利下げ観測をさらに強めることになる可能性がある。