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ドル円は149円目前まで買われるも上値重たい

ドル円は149円目前まで買われるも上値重たい

ドル円は149円目前まで買われるも上値重たい

掲載日:2025.09.03

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本日のポイント

  1. 1 米・セントルイス連銀総裁の講演
  2. 2 米・7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数

2日のNY市場は、東京市場・欧州市場の流れを継ぎ、序盤は円売りドル買い優勢。ドル円は一時148.94円まで上昇した。しかし149円目前の水準では上値が重い。23:00に発表された米・8月ISM製造業景況指数が市場予想より弱かったこともあり、一時148円を下回る反落となった。ユーロドルは同指標が発表された際、21時台につけた安値1.1612ドルからの戻りを試しているところだった。指標の弱い結果を受けてドル売りユーロ買い傾向となり、一時1.1681ドルまで上昇した。ゴールドは4月22日以来約4ヵ月ぶりに史上最高値を更新した。

本日の東京市場では、日銀の利上げ観測後退や日本と欧州の政治不安など複数要因が重なり、午前はドル買い傾向で推移。前日高値に迫るも上値が重く、伸び悩んだ。付近には日足200SMAがあり、そちらも抵抗として意識されているか。ユーロドルは1.162ドル台~1.163ドル台で方向感なく推移。昨日のNY市場で史上最高値を付けたゴールドは高値圏で停滞している。

本日のイベントは、22:00からセントルイス連銀ムサレム総裁の講演が予定されている。先日のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長がハト派寄りの発言をしたことで9月の利下げ観測が強くなっている中、タカ派として知られている同氏の発言に注目が集まる。23:00には米・7月JOLTS求人件数が発表される。同指標は、企業の求人件数・採用件数・離職件数などを示す経済指標で、景気の先行指標として注目される。今回の市場予想は737.8万件で前回の743.7万件から減少し、今年3月以来の低水準となる見込み。市場では昨日からドル買い優勢となっているが、JOLTS求人件数が市場予想以上に弱い結果となれば、再びドルが押し下げられる可能性がある。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。