石破首相の退任表明で雇用統計を巻き返す円売り発生

掲載日:2025.09.08
本日のポイント
- 欧・ビルロワドガロー仏中銀総裁の講演
- 米・7月米消費者信用残高
5日のNY市場では、米・8月非農業部門雇用者数の結果が2.2万人で、市場予想の7.5万人を大きく下回ったことを受けて強いドル売りが発生した。失業率が市場予想通りではあったものの前月分より上昇したことも影響したか。ドル円は一時146.81円まで下落、ユーロドルは1.1759ドルの高値を付けた。4日に反落していたゴールドは再び上昇し、史上最高値を更新。対ドルで3,600.2ドルの高値を付けた。
本日の東京市場では、7日に発表された石破首相の辞任表明を受けて円売り。本日ドル円は約0.6円幅の下窓をあけて寄り付いていたが、東京市場開場後も5日の終値147.34円に近づくことなく上げ幅を拡大。148.57円の高値を付けた。雇用統計発表後の下落分を巻き返し、5日海外市場の下げを帳消しにした。対ドル以外でも円売りが活発で、ユーロ円は一時 173.91円まで上昇し、1年2ヵ月ぶりの高値を付けた。前営業日に史上最高値を更新していたゴールドは高値圏で揉み合いながら緩やかに下落していたが、14時台から上昇している。
本日の指標は、25:30からビルロワドガロー仏中銀総裁の講演が予定されている。現在フランスは政局リスクが注目を集めているものの、ECB関係者がブラックアウト期間入りしているため金融政策に関する具体的な発言は避けられる可能性が高い。ただ、念の為、同氏が国内の政治情勢について触れる場面があるか気にしておきたい。28:00には米・7月米消費者信用残高が発表される。同指標はFRBが発表する、月毎の消費者の負債の増減を測定する指標である。変動が激しく、数値の修正が多いことから市場へ影響を与えることが極めて少ないため、発表スケジュールを頭に入れておく程度で良いか。本日は注目度の高い指標やイベントが予定されていないため、米国金利や日本の政局リスクなどが相場を動かす材料と判断される可能性が高い。