vantage
vantage

米国の政治的要因を材料とした値動きが活発

米国の政治的要因を材料とした値動きが活発

米国の政治的要因を材料とした値動きが活発

掲載日:2026.01.29

NEW

本日のポイント

  1. 1 米・前週分新規失業保険申請件数
  2. 2 米・11月貿易収支

28日のNY市場では、序盤からFOMC政策金利の発表後にかけてドル買い優位で推移。ベッセント米財務長官がインタビューで、「円買い介入に動いているのか」との問いに「絶対にしていない」と回答したことが材料視された模様。米・FOMC政策金利は市場予想通りの据え置きだったが、声明がやや強気と捉えられる内容だったことも好感されたか。声明では「米経済は堅調なペースで拡大」と前回までの「緩やかなペース」から引き上げられ、また、「雇用に対する下振れリスクがここ数カ月で高まった」との文言が削除された。しかし、その後のパウエルFRB議長の定例会見が始まるとドルが反落。会見は概ね市場の想定通りの内容だったが、注目されていた政治面への言及は避けられた。また、足元のドルの値動きについても触れられず、材料出尽くしによるドル売りが出たものとみられる。会見開始の4:30以降、ドル円は154円ちょうど付近から反落、ユーロドルは1.19ドルちょうど付近での反騰と、それぞれ心理的な節目になりやすい価格帯で折り返すこととなった。ゴールドは、東京市場の朝方から欧州市場にかけて5,200ドル台で揉み合いとなっていたが、4:30以降から買われ、5,400ドルを超える強い上昇となった。

本日の東京市場ではドル売りが優勢。前日はベッセント米財務長官の発言でドルの買い戻しが進んだが、本日は朝方にトランプ大統領がイランに大規模攻撃を検討しているとの報道が伝わり、再びドル売りが強まった。ドル円は一時152.77円まで下落し、その後153円ちょうど付近での小幅な値動きに落ち着いた。ユーロドルは朝方に1.198ドル付近まで上昇した後、一旦1.195ドルまで押し戻されたが、再度上昇して1.2ドル目前に迫っている。ゴールドは、トランプ大統領の発言を受けてリスク回避による買いが加速。5,602ドルまで急伸した。上昇一服後は5,400ドル台半ばまで下押す場面もあったが、下値は固く、再び高値を目指して上昇した。

本日の注目ポイントは、米・前週分新規失業保険申請件数と米・11月貿易収支だ。ともに22:30に発表される。前週分新規失業保険申請件数は、米国内で失業者がはじめて申請した失業保険給付の申請件数を測定する指標である。市場予想は20.5万件。前日のパウエル議長の会見では「失業率には安定化の兆候がみられる」とされており、今回も20万件前後の水準で維持される見込み。予想を下回る強い結果となった場合、ドル買いが強まる可能性があるが、一方で、予想を上回れば失業者数の安定化への期待が後退し、ドル売りが加速する可能性もある。新規失業保険申請件数と同時刻の22:30に発表される貿易収支は、米国の輸出額と輸入額の差額を算出した指標だ。市場予想は-405億ドルで、4ヵ月連続となる赤字額の減少となる見込み。予想と結果に乖離があればドルの値動きに影響を及ぼす可能性がある。なお、現在の市場はトランプ大統領の突発的な発言や米政府閉鎖の可能性など、米国の政治的なリスクへの懸念が強くなっている。今後も突発的な発言がされる可能性もあるため、常に注意が必要である。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。