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停戦合意でドル売り・円買い優勢

停戦合意でドル売り・円買い優勢

停戦合意でドル売り・円買い優勢

掲載日:2026.04.08

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本日のポイント

  1. 1 米・FOMC議事録公表
  2. 2 米・ウォラーFRB理事の発言

6日のNY市場では、円売り優勢の展開となった。中東情勢の先行き不透明感が意識される中、トランプ米大統領がホルムズ海峡の再開に向けた新たな期限を示したことで、リスク回避の地合いが円の重しとなった。こうした中、ドル円は序盤に上昇し、一時160.03円まで買われたが、その後は失速し、後半には159円台半ばまで押し戻された。一方、ユーロドルは底堅く推移し、1.1605ドルまで上昇した。

本日の東京市場では、ドル売り・円買いが優勢となった。米国とイランが2週間の停戦で合意したことで、これまで進んでいた有事のドル買いが巻き戻されたことが背景にある。合意内容にはホルムズ海峡の航行を巡る要素も含まれており、原油価格の下落とともにドル売り圧力が強まった。一方で、最終的な戦闘終結にはなお不透明感が残っており、ドル売りも一方向には進みにくい地合いだった。こうした中、ドル円は朝方から大きく下落し、その後も軟調に推移した。15:30時点では、前日のNY市場終盤から1円超ドル安円高となる158.08円まで下落している。ユーロドルは朝方に急騰した後、1.168ドル台付近で揉み合いとなっている。

本日のポイントは、27:00の米・FOMC議事録公表と、27:35の米・ウォラーFRB理事の発言だ。今回の議事録は3月17-18日開催分で、FOMCは前回会合で政策金利を3.50〜3.75%に据え置いたうえで、中東情勢が米経済に与える影響は不確実、経済見通しを巡る不確実性はなお高いとしていた。市場では、足元で原油高や地政学リスクが意識される中、当時の会合でFRB内がインフレ再加速リスクと景気下振れリスクをどう評価していたのか、また、年内の利下げ・据え置き・場合によっては引き締め長期化を巡ってどの程度温度差があったのかが注目されやすい。議事録の内容が想定よりタカ派ならドル買い、逆に景気や雇用への慎重姿勢が強ければドル売りにつながる可能性がある。また、ウォラーFRB理事は27:35に発言予定となっている。ウォラー理事は2月下旬の講演で、労働市場の下振れリスクに対してインフレ上振れリスクは限定的として、1月会合では追加利下げが適切だったとの考えを示していた。一方で、その後は雇用統計の底堅さや中東情勢を背景としたインフレ懸念が意識されており、今回の発言でスタンスに変化がみられるかは重要だ。議事録公表直後の発言という順番でもあるため、景気・雇用・インフレ見通しや、今後の利下げ時期に関する示唆が出れば、ドル相場が反応しやすい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。