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中東リスク再燃でドル円は高止まり

中東リスク再燃でドル円は高止まり

中東リスク再燃でドル円は高止まり

掲載日:2026.04.13

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本日のポイント

  1. 1 米・中古住宅販売件数
  2. 2 米・ミランFRB理事の発言

10日のNY市場では、序盤にドル売りが先行したものの、その後はやや買い戻された。 米3月CPIが予想を下回ったことで序盤はドル売りで反応したが、その後は米金利の上昇やミシガン大学の期待インフレ率の上振れがドルの支えとなった。ただ、中東停戦合意への期待を背景に安全資産としてのドル買いは後退しており、NY市場全体を通してみるとドルが一方向に強く買われたというより、序盤のドル売りを一部巻き戻す展開だった。こうした中、ドル円は一時158.90円まで下落した後、159.35円まで反発し、終盤は159.26円前後で推移した。一方、ユーロドルは序盤に1.1740ドルまで上昇した後に1.1715ドル付近まで反落し、その後は1.1720ドル台へ小幅に戻した。

本日の東京市場では、寄り付きでドル買い・円売りが進んだ後は、狭い値幅での横ばい推移となった。 週末の米国とイランの協議が合意に至らず、米国がホルムズ海峡の封鎖を表明したことで中東情勢の不透明感が一段と強まり、原油先物価格が急上昇したことが背景にある。一方で、ドル円は160円に接近したことで為替介入への警戒感が意識され、さらに日銀の利上げ観測も上値を抑えた。こうした中、ドル円は寄り付きで先週終値から0.3円超高い159.6円台で始まり、一時159.8円まで上昇したが、その後は伸び悩み159円後半でのもみ合いが続いた。ユーロドルは1.166ドル台で寄り付いた後、序盤に1.168ドル台まで買い戻された。その後は同水準で横ばいとなっている。

本日のポイントは、23:00の米・中古住宅販売件数と、翌7:20のミランFRB理事の発言だ。中古住宅販売件数は、米住宅市場の実勢や家計の購買力を映しやすい指標として注目される。前回2月分は前月比1.7%増、年率409万件と持ち直したが、今回は年率401万件への鈍化が見込まれている。市場予想を下回れば米景気の減速懸念を通じてドル売り材料となる余地があり、逆に予想を上回れば米個人需要の底堅さが意識されてドルを支える可能性がある。また、ミランFRB理事は翌7:20にワシントンで討論形式のイベントに参加する予定だ。直近3月の発言では、イラン情勢による原油高があっても利下げ継続はなお適切との見方を示しており、市場はこのスタンスに変化があるかを見極めたいところだ。足元では中東情勢とエネルギー価格の動向が金融政策見通しに与える影響が大きくなっているだけに、景気・インフレ・利下げ時期に関する示唆が出ればドル相場の材料となりやすい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。