vantage
vantage

PPI上振れもドル買い続かず、ドル円は158円前後で失速

PPI上振れもドル買い続かず、ドル円は158円前後で失速

PPI上振れもドル買い続かず、ドル円は158円前後で失速

掲載日:2026.10.16

NEW

本日のポイント

  1. 1 米・9月鉱工業生産
  2. 2 米・8月対米証券投資

10月15日のNY市場では、ドル売り先行後に買い戻しが入った。米9月小売売上高は前月比+0.8%と市場予想を上回ったものの、前月の+1.3%からは伸びが鈍化した。また、AI関連の信用不安を背景に安全資産として米国債が買われ、米長期金利の低下に伴うドル売りが優勢となった。その後は、米9月PPIが前月比+1.3%、前年比+6.3%と大幅に上振れたほか、原油高も支えとなり、米金利の低下が一服した。ドル円は157.55円まで下落した後、158.25円まで反発した。ユーロドルは1.1188ドルから1.1224ドルまで上昇し、ユーロ円は176.70円から177.42円まで上昇した。

本日の東京市場では、ドル円は仲値にかけて上昇した後反落した。前日のNY市場でPPIの上振れを受けたドル買いが流れを引き継いだものの、時間外の米10年債利回りが伸び悩み、買いは続かなかった。その後は158.18円まで上昇した後、157.88円まで下落した。ユーロドルは1.1208ドルから1.1220ドルまで上昇し、ユーロ円は177.15円から177.37円まで上昇した。

本日のポイントは、22:15に発表される米9月鉱工業生産と、17日5:00の米8月対米証券投資だ。鉱工業生産の市場予想は前月比+0.4%と、前回の横ばいから改善する見通し。予想を上回れば、製造業や設備稼働の底堅さが意識され、米景気への安心感からドル買いにつながりやすい。一方、予想を下回れば、景気減速への警戒から米金利低下とドル売りが入りやすい。9月CPI・PPIがともに上振れた後だけに、インフレと景気の両面を映す指標として注目したい。対米証券投資の市場予想は752億ドルの流入と、前回の279億ドルの流出から流入に転じる見通しとなっている。予想を上回る資金流入となれば、海外勢による米国債などへの需要の強さが確認され、ドルの支援材料となりそうだ。反対に流入額が小幅にとどまる、または再び流出となれば、米国資産への資金流入の鈍化が意識され、ドルの重しとなる可能性がある。もっとも、発表が週末の早朝となるため、為替市場の反応は限られやすい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。