日銀据え置き後も円買いは限定的
掲載日:2026.10.30
本日のポイント
- 米・第3四半期雇用コスト指数
- 米・10月シカゴ購買部協会景気指数
10月29日のNY市場では、ドル買いが先行した後に失速した。米9月コアPCEデフレーターは前年比3.1%と市場予想通りながら前月の3.0%から伸びが加速し、7-9月期GDP速報値も前期比年率3.4%と予想を上回った。新規失業保険申請件数も19.4万件と予想を下回り、米景気と労働市場の底堅さからドル買いが優勢となった。その後は、イラン情勢を巡る報道を受けた原油価格の下落や米長期金利の低下がドルの重しとなった。ドル円は158.13円まで上昇した後、157.71円付近まで反落した。ユーロドルはECBの据え置き決定後に1.1105ドルまで下落したものの、ラガルドECB総裁の発言などを受けて1.1174ドルまで反発した。
本日の東京市場では、日銀金融政策決定会合の結果を受けて円買いが入る場面があったものの、継続性は限られた。日銀は政策金利を1.25%で据え置いた一方、基調的な物価上昇率が物価安定目標とおおむね整合的な水準に達したと初めて判断し、物価の上振れリスクにも言及した。追加利上げを求める反対票が1票あったことも円買い材料となったが、植田日銀総裁会見を控えて一段の円買いは進みにくかった。ドル円は157.90円まで上昇した後、日銀会合後に157.12円まで下落し、午後は157.60円前後まで切り返した。ユーロドルは1.1215ドルから1.1181ドル付近まで下落した。
本日のポイントは、21時30分に発表される米7-9月期雇用コスト指数だ。市場予想は前期比0.8%上昇と、前回の0.9%上昇から伸びが鈍化する見通しとなっている。雇用コスト指数は賃金だけでなく福利厚生費も含むため、労働コスト全体のインフレ圧力を確認するうえで重要な指標となる。予想を上回れば、賃金インフレの根強さが意識され、12月FOMCでの追加利上げ観測を支えることでドル買いにつながりやすい。反対に予想を下回れば、物価圧力の緩和期待から米金利低下とドル売りを促す可能性がある。22時45分には米10月シカゴ購買部協会景気指数が発表される。市場予想は56.1と、前回の58.8から低下する見通しだが、景気拡大・縮小の分岐点である50は上回る見込み。予想を上回れば製造業活動の底堅さが意識され、ドルの支援材料となりそうだ。一方、予想を大きく下回る場合は景気減速への警戒からドル売りが入りやすい。指数本体に加え、新規受注、雇用、仕入価格の動きにも注目したい。