vantage
vantage

原油高と米利上げ観測でドルが反発

原油高と米利上げ観測でドルが反発

原油高と米利上げ観測でドルが反発

掲載日:2026.11.02

NEW

本日のポイント

  1. 1 米・10月PMI(改定値)
  2. 2 米・10月ISM製造業景況指数

10月30日のNY市場では、ドルは売り先行後に買い戻された。日銀の12月追加利上げ観測を受けて円買いが強まり、ドル円は下落して始まった。米7-9月期雇用コスト指数は前期比+0.8%と市場予想通りとなった一方、10月シカゴ購買部協会景気指数は55.3と予想の56.0を下回り、序盤のドルの重しとなった。ただ、フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃激化を背景に原油価格が上昇し、インフレ懸念が再燃。FRB高官からも速やかで段階的な追加利上げの必要性を指摘する発言が出たため、米金利の先高観を意識したドル買いが強まった。ドル円は156.96円まで下落した後、157.64円まで反発した。ユーロドルは独10月CPIの鈍化を受けてユーロ売りが優勢となり、1.1197ドルから1.1136ドルまで下落した。

本日の東京市場では、ドル買い・円売りが優勢となった。前週末のNY市場でドル円が下げを埋めた流れを引き継ぎ、東京勢の参入後から買いが入った。時間外の米10年債利回りが上昇幅を縮める場面でもドル円の反応は鈍く、株価が朝方の下落から一時プラス圏へ持ち直したことも円売りを支えた。一方、明日の米中間選挙を控えて積極的な持ち高形成は限られ、158円近辺では上値の重さもみられた。ドル円は157.46円から157.98円まで上昇した後、午後は157.70円台へやや軟化した。ユーロドルは1.1150ドル台から1.1180ドル台で推移し、ユーロ円は176円台半ばまで上昇した。

本日のポイントは、23時45分に発表される米10月製造業PMI改定値と、24時の米10月ISM製造業景況指数だ。PMI改定値は速報値の56.0からの修正幅が焦点となる。大幅に上方修正されれば製造業の底堅さが意識される一方、下方修正ならISM発表を前にドルの上値を抑える要因となりそうだ。より注目度の高いISM製造業景況指数の市場予想は54.7と、前回の54.5から小幅に改善する見通し。本体が予想を上回り、新規受注や生産も強ければ、米景気の底堅さを背景に追加利上げ観測が強まり、米金利上昇とドル買いにつながりやすい。特に雇用指数が強ければ、週後半の米雇用統計を控えた労働市場への警戒も高まりそうだ。反対に、指数本体に加えて新規受注や雇用が弱ければ、景気減速への懸念から米金利低下とドル売りが入りやすい。支払価格指数が上振れる場合は、景気の強さよりもインフレ懸念が意識される可能性があり、内容を総合的に見極めたい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。