vantage
vantage

原油安でドル売り先行も、強いISMで下げ渋る

原油安でドル売り先行も、強いISMで下げ渋る

原油安でドル売り先行も、強いISMで下げ渋る

掲載日:2026.11.03

NEW

本日のポイント

  1. 1 米・9月JOLTS求人
  2. 2 米・9月製造業新規受注

11月2日のNY市場では、ドルは売り先行後に下げ渋った。イラン政府が対外交渉を進める権限を得たとの報道を受け、中東情勢の緊張緩和への期待から原油価格が急落。インフレ懸念の後退を背景に米長期金利も低下し、ドル売りが優勢となった。米10月製造業PMI改定値は54.9と速報値の56.0から下方修正され、9月建設支出も前月比-1.9%と予想に反して減少した。ただ、米10月ISM製造業景況指数は55.5と市場予想の54.5を上回ったため、米景気の底堅さが意識され、ドル売りは後退。ドル円は157.63円まで下落した後、157.93円まで反発して取引を終えた。ユーロドルは1.1229ドルまで上昇後、ドルの買い戻しを受けて1.1190ドルまで押し戻された。

本日の東京市場は文化の日で休場。同時間帯の取引での主要通貨は小動きとなった。休場により国内勢の取引が限られたうえ、米中間選挙を控えて積極的に持ち高を傾けにくい地合いとなった。前日のNY市場で低下した米長期金利が時間外取引で持ち直したことからドル売りは一服したものの、相場を一方向に動かす材料には乏しかった。ドル円は157.79~157.96円の狭いレンジで推移。ユーロドルも1.1177〜1.1197ドルの範囲にとどまり、方向感は限られた。

本日のポイントは、24時に発表される米9月JOLTS求人件数と米9月製造業新規受注だ。JOLTS求人件数の市場予想は716.2万件と、前回の707.9万件から増加する見通し。予想を上回れば、企業の求人需要がなお底堅いことが示され、米労働市場の減速懸念が後退することで米金利上昇とドル買いにつながりやすい。特に、採用件数や自発的離職率も強ければ、労働需給の引き締まりが意識され、追加利上げ観測を後押ししそうだ。反対に予想を下回れば、雇用市場の減速を示す材料としてドル売りが入りやすい。製造業新規受注は前月比+1.2%と、前回の+0.1%から伸びが加速する見込み。予想を上回れば、企業部門の需要や設備投資の底堅さが意識され、ドルの支援材料となる。一方、予想を下回れば、製造業の勢い鈍化が警戒され、JOLTSも弱い結果となった場合にはドル売りが強まる可能性がある。JOLTSの方が為替市場への影響は大きくなりやすく、両指標の結果に加え、米中間選挙を巡る報道にも注意したい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。