強い米雇用指標と米中間選挙で市場が振れる
掲載日:2026.11.04
本日のポイント
- 米・10月ADP雇用統計
- 米・10月ISM非製造業景況指数
11月3日のNY市場では、ドル買い・円売りが優勢となった。米9月JOLTS求人件数は752.3万件と市場予想の716.4万件を大きく上回り、4カ月ぶりの高水準となった。9月製造業新規受注も前月比+1.8%と予想の+1.2%を上回り、労働市場と企業部門の底堅さが確認された。米長期金利が上昇し、年内の追加利上げ観測を背景にドル買いが進んだ。一方、独連銀総裁が12月のECB利上げの可能性に言及したことでユーロには買いが入ったが、対ドルでの上昇は続かなかった。ドル円は157.98円から158.77円まで上昇し、158.69円付近で取引を終えた。ユーロドルは1.1201ドルまで上昇した後、ドル買いに押されて1.1175ドルまで反落した。
本日の東京市場では、米中間選挙で民主党が上下両院の多数派を獲得する見通しが強まったことを受け、ドル売り・円買いが先行した。トランプ政権による財政支出の拡大に歯止めがかかるとの見方から米長期金利が低下し、AI関連株を中心に株価も下落したため、リスク回避の円買いが強まった。ただ、選挙結果を巡る初動の反応が一巡すると、株価の下げ渋りとともにドル円も持ち直した。ドル円は朝方の158.74円から157.41円まで急落した後、午後には158円台を回復した。ユーロドルはドル売りを受けて1.1263ドルまで上昇した後、1.1220ドル台へ伸び悩んだ。
本日のポイントは、22時15分に発表される米10月ADP雇用統計と、24時の米10月ISM非製造業景況指数だ。ADP雇用統計の市場予想は前月比+6.6万人と、前回の+9.0万人から増加幅が縮小する見通し。予想を上回れば、民間雇用の底堅さが意識され、週末の米雇用統計への期待とともに米金利上昇・ドル買いにつながりやすい。一方、予想を下回れば、労働市場の減速懸念からドル売りが入りやすい。ADPは米雇用統計と必ずしも一致しないものの、発表直後は雇用統計を前にしたポジション調整を促す材料となりうる。ISM非製造業景況指数の市場予想は54.8と、前回の54.9からわずかに低下する見通し。予想を上回り、新規受注や雇用指数も強ければ、米景気の底堅さが改めて意識され、ドル買いを後押ししそうだ。支払価格指数が上振れた場合は、インフレ圧力の根強さも意識されやすい。反対に、本体に加えて新規受注や雇用が弱ければ、景気減速と利上げ観測の後退からドル売りにつながる可能性がある。ADPとISMの結果が異なる場合は、米経済の大部分を占めるサービス業の動向を示すISMの内訳に、より注目が集まりそうだ。