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ドル円は147円台での小幅な値動き継続

ドル円は147円台での小幅な値動き継続

ドル円は147円台での小幅な値動き継続

掲載日:2025.08.28

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本日のポイント

  1. 1 米・前週分新規失業保険申請件数
  2. 2 米・第2四半期GDP(改定値)

27日のNY市場は、東京市場・欧州市場でドル買い優勢で推移したことから、ドル円が148円を超える水準でスタート。しかし上値重く、147円台前半まで反落した。ドル売りの背景には、タカ派のウィリアムズNY連銀総裁の9月利下げに含みを持たせた発言や、トランプ政権高官が相次いでクックFRB理事解任に言及したことがあげられる。米国株は利下げ期待から上昇傾向で推移しており、S&P500は史上最高値を更新した。

本日の東京市場では、ドル円は147円台前半で小幅に下落。FRBへの政治的介入や、米国の金利動向への警戒感から発生したドル売りが相場を押し下げた。一方で、147円割れが意識される水準ではサポートが強まる傾向もみられ、値動きは限定的となっている。日経平均は、前日の米国市場における米国株の上昇を背景に堅調に推移し、前日比308円高。

本日の指標は、21:30に米・前週分新規失業保険申請件数が発表される。同指標は、米国内で失業者が失業保険を初めて申請した件数を集計したもの。前回は市場予想を大幅に上回る結果が示されたことで、労働市場の減速が示唆される結果と受け止められた。特に、減少傾向にあった一時解雇の増加が警戒されている。今回の市場予想は23万件。前回(23.5万件)からは減少する見込みだが、前月までの水準と比較すると依然として高い水準である。市場予想を上回る結果となれば、労働市場への懸念が強まりドル売りを加速させる可能性がある。また、同時刻(21:30)には米・第2四半期GDP(改定値)も発表。速報値からの小幅な上方修正が予想されている。市場予想通り強い結果が示されるか注目したい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。