FRB理事解任による米国の信用低下に注意か

掲載日:2025.08.27
本日のポイント
- 米・週間原油在庫
- 米・5年国債入札
26日のNY市場では、序盤は米・8月消費者信頼感指数などの経済指標が市場予想を超えたことによりドル買い。一時147.72円まで上昇。しかし、その後はFRBに対する政治的介入への警戒感を背景に反落した。昨日午前中に報道されたクックFRB理事の解任を巡るニュースでは、クック氏が訴訟を提起する意向を示しており、FRBは裁判所の判断に従うとしていることから解決に時間を要す可能性がある。また、昨日はトランプ大統領が、FRB理事を辞任したクーグラー氏の後任として暫定就任したミラン氏を長期ポストに切り替える可能性を示唆した。
本日の東京市場では、ドル円がじり高の展開。早朝の147.3円台から147.95付近まで上昇。本日はスポット応当日が月末に当たり、月末接近の実需要因がドル円を押し上げた形だ。しかし148円を超えることなく失速。午後は売りが強まり、146.65付近まで戻して引けた。ユーロドルでは、フランス政府の政局不安を背景としたユーロ売りの展開となっている。
本日の指標は、23:30に米・週間原油在庫の発表が予定されている。米国の企業が在庫として保有する商業用原油量を週間で測定した指標。在庫量は石油製品の価格に影響を与え、インフレや他の経済動向にも波及する可能性がある。また、26:00には米・5年国債入札が行われる予定。国債の利回り変動は政府債務の状況を示す指標として注目されており、同じ証券の前回の落札利回りと今回の落札利回りを比較するのが一般的。昨日の東京時間にトランプ大統領がクックFRB理事の解任表明をしたことを皮切りに、FRBへの政治的介入が警戒され、米国債価格は一時下落。今後、トランプ大統領によるFRBへの圧力が強くなった場合、再び米国債の下落要因となる可能性が高い。国債入札の結果と合わせて大統領の突発的な発言には警戒が必要か。