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パウエルFRB議長の講演で利下げが示唆されるか注目

パウエルFRB議長の講演で利下げが示唆されるか注目

パウエルFRB議長の講演で利下げが示唆されるか注目

掲載日:2025.08.22

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本日のポイント

  1. 1 米・ボストン連銀総裁メディア出演
  2. 2 米・パウエルFRB議長の講演

21日のNY市場ではダウ平均は横這い、為替では21:30に発表された米・前週分新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことで、初動はドル売り。ドル円は147.59円まで下落した。22:45に発表された米・8月PMIで製造業部門とサービス部門両方で予想を上回った事がドル買い材料となり、ドル円は反転上昇。148.40円の高値をつけた。特に製造業部門では53.3(予想49.8)と分水嶺である50を挟む乖離。その後、大きな反発下落がみられないままNY市場が終了した。様子見ムードの中、経済指標の影響でやや値動きが活発化したか。

本日の東京市場では、NY市場を引き継ぎ、ドル買いで推移。ドル円は一時148.76円と8月1日以来の高値をつけた。8:30に発表された日・7月全国消費者物価指数(CPI)では、コア値が3.1%(予想3.0%)と予想をわずかに上回ったが、市場への影響は限定的となった。日銀の利上げ観測を高めるほどではないと判断されたか。日経平均は一時前日比278円安となる4万2,331円まで下落したが持ち直し、4万2,633円(前日比23円高)で大引け。3日間続いた下落は一服することとなった。

本日は、ジャクソンホール会議にて23:00から行われるパウエルFRB議長の講演に注目したい。ここ数年、同氏はこの会議での講演で、市場に影響を与える政策関連の発言を行っている。今回は議長が利下げ観測に反論するかどうか注目が集まる。利下げが近いことを示唆する発言が聞かれれば市場はドル売り材料、反対に、引き続き利下げに慎重な姿勢を貫いた場合はドル買い材料となる可能性があり、双方向への注意が必要。なお、22:00にはボストン連銀のコリンズ総裁がメディア出演する予定があるが、パウエル議長の講演直前であるため、市場へのインパクトは薄くなるか。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。