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ドル売り円買い材料重なりドル円下落

ドル売り円買い材料重なりドル円下落

ドル売り円買い材料重なりドル円下落

掲載日:2025.09.16

本日のポイント

  1. 1 米・8月小売売上高
  2. 2 米・8月鉱工業生産

15日のNY市場では、為替は終始方向感に欠ける値動きとなった。21:30に発表された米・9月NY連銀製造業景気指数は4.7を見込んでいた市場予想に対して結果は-8.7。予想から大きく下振れしてマイナス圏に沈んだものの、市場への影響は限定的。発表直後にわずかにドル売りが発生するのみにとどまった。ドル円は終始147.2円台~147.4円台のレンジ内で推移。ユーロドルも値動きに乏しく、1.175ドル台~1.177ドル台で方向感なく推移した。ゴールドは3,685ドルまで上昇し、先週火曜に記録した史上最高値を更新した。

本日の東京市場では、ドル売り円買い傾向となった。石破茂首相の路線を継承すると市場の一部でみられている小泉進次郎農水相が自民総裁選への出馬意向を示したことと、トランプ大統領の側近であるミラン大統領経済諮問委員会委員長をFRB理事に充てる人事案を米上院が承認したことが報道され、ドル売り円買い材料が重複。これを受けてドル円は146.78円の安値をつけ、東京市場閉場後も下落が継続。円はユーロに対しても買われ、ユーロ円は一時173.02円まで売られた。ユーロドルは上昇し、9月9日に付けた直近高値1.1779ドルを超えた。ゴールドは昨夜のNY市場に続き、史上最高値を更新している。

本日の指標は、21:30に米・8月小売売上高が予定されている。同指標は、米国の様々な規模の小売店の売上を月毎に測定する指標である。個人消費がGDPの約2/3を占める米国では、その動向を確認できる小売売上高は大変注目される。全体に占める割合が最大で、なおかつ、販売店のセールなど景気と直接の関係がない要因によるブレが大きい「自動車及び同部品」部門を除いたコア指数は特に注目されやすい。今回の市場予想は0.2%で、前回の0.5%から伸びが鈍化する見込み。一方で、コア指数は予想0.4%で、前回の0.3%から伸び加速が見込まれる。FOMCを目前に控える中、米国の利下げ期待が高まっているため、市場予想以上に弱い結果となった場合は米ドル売りが加速する可能性があることに注意したい。22:15には米・8月鉱工業生産が発表される。同指標は米国の製造業、鉱業部門における生産動向を表したもの。市場予想は-0.1%で、前月と同程度となっている。上述した小売売上高に比べると市場へ影響を与えにくい指標ではあるものの、予想と結果の乖離が大きくなればドルの売買材料となる可能性があるため発表スケジュールは頭に入れておきたい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。