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FOMC後のドル売り一服か

MARKET REPORT

マーケットレポート

FOMC後のドル売り一服か

FOMC後のドル売り一服か

掲載日:2025.12.11

本日のポイント

  1. 1 米・前週分新規失業保険申請件数
  2. 2 米・9月貿易収支

10日のNY市場は、政策金利発表に向けてのポジション調整からか、ドル売り優位で推移しながら、発表時間の4:00を迎えた。結果は、市場予想通り25bpの利下げだった。同時に発表された金利・経済見通しによって、来年の25bpの利下げ見込みが維持されていることと、今月から約400億ドル相当の短期国債購入を開始するとの情報が公開されたことから、買い支えも発生し、4:00時点では値動きにはっきりとした方向性は出なかった。ただ、4:30から行われたパウエルFRB議長の会見が、ドル売り材料となった。同氏は、「インフレ率は依然として高い」としつつも、「雇用の下振れリスクは最近高まっている」と発言。今後についてはデータ次第としたものの、タカ派的な内容を予想していた市場では、警戒していたほど利下げに消極的ではないと判断され、ドルが売られた。ドル円は、会見開始後に156.67円まで上昇する場面もあったが、155.78円まで反落した。ユーロドルも会見開始直後は下落したが、反騰し、1.17ドル目前まで上昇し、先週から上値を抑えられていた1.168ドル台付近の抵抗帯を上抜けた。

本日の東京市場では、前半は揉み合いながらも、前日NY市場の流れを引き継ぎ、徐々にドルが安値を切り下げる展開だったが、午後はドルの買い戻しが優勢となった。ドル円は、午前中に155.49円の安値を付けたが、午後は155.9円台まで反騰し、朝方の水準まで戻した。ユーロドルは、午前中に小幅に上昇し1.17ドル台をつけたものの、その後やや下落し、1.1689ドルで東京市場の取引を終えた。ドル円、ユーロドルともに、FOMCの結果を受けたドル売りが一服し、次の材料を待つ展開か。

本日の指標は、22:30に米・前週分新規失業保険申請件数が発表される。同指標は、米国内で失業者が失業保険を初めて申請した件数を集計した指標である。今回の市場予想は22.0万件で、前回の19.1万件を上回る結果となる見込み。前日のパウエル議長の会見では、労働市場の下振れリスクを懸念する内容があったことから、市場予想を上回る弱い結果となった場合は、市場が神経質に反応し、ドル売りが強まる可能性がある。また、同時刻22:30には米・9月貿易収支も発表される。同指標は、米国から海外へ輸出した財・サービスの金額と、海外から輸入した財・サービスの金額の差額を表したもの。市場予想は-630億ドルで、前回の-596億ドルから赤字幅が広がる見込み。2月分から5月分まではトランプ氏の政策の影響もあり、-1,300〜-1,200ドルまでマイナス幅が拡大していたが、その後は落ち着き、2年ぶりの高水準となっている。結果が市場予想を上回った場合、ドル買い材料となる可能性がある。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。