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米・雇用統計と小売売上高で値動きに動意が出るか注目

米・雇用統計と小売売上高で値動きに動意が出るか注目

米・雇用統計と小売売上高で値動きに動意が出るか注目

掲載日:2025.12.16

本日のポイント

  1. 1 米・11月雇用統計
  2. 2 米・10月小売売上高

11日のNY市場では、東京市場から進んでいた円買いに対する反発の円売りが優位となった。ドル円は、22:30に発表されたNY連銀製造業景気指数が10.0だった市場予想に対して-3.9と、予想に反してマイナス圏を示したことで、一時154.84円まで下落した。しかし、12月8日から買い支えが入っている同水準は下抜けず、反騰し、155.39円まで上昇した。FOMC後から1.17ドル台中盤での方向感に欠ける値動きが継続しているユーロドルは、NY連銀製造業景気指数の結果を受けて、一時1.1768ドルまで上昇する。しかし、大きな動きにはならず、NY市場開場前の水準まで反落し、終盤は1.175ドル付近での小幅な値動きとなった。NY市場開場前に4,340ドルを試していたゴールドは、NY市場で反落し、後半は4,300ドル付近での値動きとなった。

本日の東京市場では、前日の東京市場と同じく、円買い主導で推移した。しかし、ドル円、ユーロ円ともに、直近で意識されているサポートは下抜けきれていない。本日発表を控えている米・雇用統計までは、大きな動意をもった動きは発生しにくい展開が想定される。ドル円は、早朝から売りが強まり、安値を154.74円まで切り下げた。仲値前後にかけて、一時155円台まで値を戻す場面もあったが、再度円買いが強まり、154.69円まで下げ幅を拡大した。ただ、前日の海外市場と同じく、この水準では買い支えられ、154.9円台まで回復して閉場した。ユーロ円も、朝方から売りが強まり、午後には一時181.78円の安値をつけたが、終盤では小幅に買い戻されている。ユーロドルは、前日NY市場後半と変わらず、1.175ドル付近での小幅な値動きが継続している。

本日の指標は、22:30に米・雇用統計の発表が予定されている。本日は11月分と合わせて、10月分の非農業部門雇用者数も発表される。11月分の市場予想は、非農業部門雇用者数が+5.0万人、失業率が4.5%、平均時給が前年比+3.6%。主要3項目全てで、9月分を下回る弱い結果となることが見込まれている。市場予想より、さらに弱い結果となった場合は、ドル売りの材料となる可能性が高い。ドル円で直近のサポートとなっている154円台中盤の下抜けや、直近で高止まりをしているユーロドルの1.17ドル台中盤の上放れが発生する可能性も想定しておきたい。また、同時刻22:30には、米・10月小売売上高も発表される。米政府機関閉鎖の影響で、平常時より1ヵ月遅れでの発表となっている。同指標は、米国内の小売業の売上高を集計したデータである。米国のGDPの3分の2を占める個人消費の動向を探るうえで、注目度が高い指標となっている。今回の市場予想は、前月比+0.1%、コア指数は前月比+0.2%で、ともに前回から伸びが減少する見込み。結果が市場予想を下回る場合はドル売り、市場予想を上回ればドル買いの材料となる可能性がある。同時刻に発表される雇用統計と小売売上高の結果を総合的に判断して、ドルの動向を確認したい。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。