vantage
vantage

米CPI控え、ドルは底堅さ維持

米CPI控え、ドルは底堅さ維持

米CPI控え、ドルは底堅さ維持

掲載日:2026.06.10

NEW

本日のポイント

  1. 1 米・5月消費者物価指数
  2. 2 米・10年債入札

9日のNY市場では、ドルは底堅く推移した。翌10日に米5月消費者物価指数(CPI)の発表を控えるなか、序盤は様子見姿勢が強かったものの、原油先物相場の下落を背景に資源国通貨などに対してドル買いが進んだ。その後、トランプ米大統領がイランへの報復を示唆したことで原油価格が反発し、中東情勢への警戒感から「有事のドル買い」も意識された。こうしたなか、ドル円は160.20円前後でのもみ合いから上値を伸ばし、前日高値の160.39円を上抜けて一時160.45円と4月30日以来の高値を更新した。その後も大きく崩れず、160.36円付近で取引を終えた。ユーロドルは一時1.1560ドル台まで上昇したものの、リスク回避のドル買いが強まると1.1530ドル付近まで下押し、上値の重い展開となった。

本日の東京市場では、米・イランの軍事衝突を受けた中東情勢への警戒感から、有事のドル買いが意識されやすい地合いとなった。もっとも、ドル円が160円台半ばに接近するなかで日本当局による円買い介入への警戒感が根強いためか、上値を積極的に追いにくい状況だった。午後にかけてはWTI原油先物価格が87ドル台後半まで下落し、ドル買いの勢いをやや抑える材料となった。こうしたなか、ドル円は5・10日要因の仲値に向けた買いも支えに160.43円までじり高となったものの、前日高値の160.45円を前に伸び悩んだ。その後は160.30円台を中心に方向感を欠く展開となり、15時時点では160.34円付近で推移した。ユーロドルは原油価格の下落を手掛かりにしたユーロ買い・ドル売りから1.1556ドルまで上昇し、15時時点では1.1554ドル付近で推移した。

本日のポイントは21:30の米・5月消費者物価指数と26:00の米・10年債入札だ。消費者物価指数は、市場予想が前月比+0.5%、前年比+4.2%と、前回の+0.6%、+3.8%から前年比の伸びが加速すると見込まれている。コア指数は前月比+0.3%、前年比+2.9%の予想で、前回の+0.4%、+2.8%から前月比は鈍化する一方、前年比では小幅な加速が見込まれる。中東情勢を背景とした原油高が物価押し上げ要因として意識されており、予想を上回ればインフレ再加速への警戒から米金利上昇・ドル買いにつながりやすい。一方、弱い結果となれば米金利低下を通じてドルの上値を抑える可能性がある。また、米財務省は390億ドル規模の10年債入札を予定している。今週は前日の3年債に続き、10年債、30年債の入札が予定されており、米国債需給への関心が高まりやすい。足元ではCPIを控えて米金利の方向感が注目されているため、入札が低調なら米長期金利の上昇を通じてドル円の支えとなる一方、需要が強ければ金利低下からドルの上値を抑える展開が想定される。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。