弱い米雇用統計でドル急落も週明けは158円台へ反発
掲載日:2026.08.10
本日のポイント
- 米・クリーブランド連銀ハマック総裁の発言
- 米国・イラン間の協議および原油価格の動向
7日のNY市場では、ドル売りが優勢となった。米7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2.3万人減と、市場予想の8.0万人増に反して5ヵ月ぶりに減少した。過去2ヵ月分も大幅に下方修正されたほか、平均時給は前月比+0.1%、前年比+3.2%と、いずれも市場予想を下回った。失業率は4.1%へ低下したものの、労働参加率の低下が背景にあり、労働市場の減速が意識された。これを受けて9月の追加利上げ観測が後退し、米国債利回りも低下した。その後は米長期金利が低下幅を縮めたため、ドル売りは一服した。こうしたなか、ドル円は158.4円付近から156.68円まで急落した。その後は158.0円付近まで買い戻され、157.76円で取引を終えた。一方、ユーロドルは1.1526ドルから1.1581ドルまで上昇した後、1.15ドル台半ばへ伸び悩み、1.1559ドル付近で取引を終えた。
本日の東京市場では、ドル買い・円売りが優勢となった。先週末の弱い米雇用統計を受けて進んだドル売りの反動に加え、ホルムズ海峡の再開を巡る不透明感から原油価格が上昇し、米長期金利も持ち直したことがドルの支えとなった。また、日経平均株価が大幅に上昇したことで、リスク選好の円売りも意識された。一方、日銀金融政策決定会合の「主な意見」では、物価の上振れリスクを警戒し、利上げペースが市場の想定より早まる可能性を指摘する意見が確認されたものの、円買いは広がらなかった。こうしたなか、ドル円は東京午前の157円台後半から上昇し、午後には158.4まで値を上げた。15時時点では158.34円付近で推移し、先週末の米雇用統計後の下落分をおおむね取り戻した。一方、ユーロドルはドルの買い戻しを受けて上値が重く、1.15ドル台半ばの狭い範囲で推移した。15時時点では1.1554ドル付近となった。
本日は、米クリーブランド連銀のハマック総裁の発言が予定されており、先週末の弱い米雇用統計を受けて、今後の金融政策についてどのような見解を示すかが注目される。ハマック総裁は7月のFOMCで0.25%の利上げを支持し、労働市場よりも高インフレへの対応を優先すべきとの姿勢を示していた。一方、先週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想外に減少し、9月の利上げ確率は約44%まで低下している。このため、雇用の悪化を受けても利上げを支持する姿勢を維持するかが焦点となる。インフレへの警戒を改めて強調すれば、利上げ観測の持ち直しや米金利上昇を通じてドル買いにつながりやすい。反対に、労働市場の減速を重視して慎重な姿勢を示せば、追加利上げ観測が一段と後退し、ドル売りが強まる可能性がある。
米国とイランの協議を巡っては、イランとオマーンによるホルムズ海峡の新たな航路に関する合意が最終段階にあるとされる一方、イランは米国が追加条件を受け入れなければ海峡を再開しない姿勢を示している。直接協議は行われておらず、仲介国を通じた間接的なやり取りが続いている。こうした不透明感から、北海ブレント原油は1バレル84〜85ドル付近へ上昇している。協議が進展して海峡再開への期待が強まれば、原油安や米インフレ懸念の後退を通じてドルの上値を抑える可能性がある。一方、協議の難航や緊張激化で原油高が進めば、米金利上昇を通じてドルを支えやすい。ただし、地政学リスクが急速に高まった場合はドルと円がともに買われる可能性があるため、ドル円については原油価格と米金利の反応を確認する必要がある。