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中東警戒でドル底堅い、米PPIと雇用指標に注目

中東警戒でドル底堅い、米PPIと雇用指標に注目

中東警戒でドル底堅い、米PPIと雇用指標に注目

掲載日:2026.06.11

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本日のポイント

  1. 1 米・前週分新規失業保険申請件数
  2. 2 米・5月生産者物価指数(PPI)

10日のNY市場では、ドルは底堅く推移した。米5月CPIは前年比+4.2%、前月比+0.5%と市場予想に一致した一方、コアCPIが予想を下回ったことで、発表直後は米金利低下を通じてドル売りが優勢となった。ただ、インフレ再加速への警戒を強めるほどの内容ではなかった一方で、FRBの利上げ観測を大きく後退させる内容にもならず、ドルの下値は限られた。また、トランプ米大統領がイランとの紛争を巡り、早期終結の可能性は低いと受け止められる発言をしたことも、中東情勢への警戒感を通じてドルの支えとなった。こうした中、ドル円は米CPI発表後に160.33円まで下落したものの、その後は160.50円付近まで反発した。その後、終盤にかけては160.58円まで上値を伸ばし、160.55円付近で取引を終えた。ユーロドルは米CPI後のドル売りを受けて1.1572ドルまで上昇する場面があったが、その後は伸び悩み、1.1550ドル付近まで反落した。午後は1.1535ドルまで下落し、同水準でクローズした。

本日の東京市場では、米・イラン情勢を巡る警戒感や原油高を背景に、有事のドル買いが意識されやすい地合いとなった。一方で、ドル円は4月30日の高値160.72円に接近しており、日本当局による円買い介入への警戒感も根強く、一方的にドル高・円安が進みにくい状況だった。米軍による直近のイラン攻撃が完了したとの一部報道を受けて中東リスクへの過度な警戒感がやや後退したことや、原油先物の上げ幅縮小、米長期金利の低下もドルの上値を抑える材料となった。こうした中、ドル円は朝方から160円台半ばで推移し、160.43円まで弱含む場面があったものの、下値は限られた。その後は再び160.50円台を回復し、4月30日高値を意識しながら方向感を欠く展開となった。ユーロドルは中東リスクへの過度な警戒感の後退や米金利低下を受けて1.1556ドルまで上昇したが、1.1550ドル台では売りも出やすく、その後は1.1540ドル台まで伸び悩んだ。

本日のポイントは21:30の米・前週分新規失業保険申請件数と米・5月生産者物価指数(PPI)だ。前週分新規失業保険申請件数は、市場予想が22.0万件と前回の22.5万件から小幅な改善が見込まれている。申請件数が予想以上に減少すれば、米労働市場の底堅さが意識され、米金利上昇を通じてドル買いにつながりやすい。一方、予想を上回る増加となれば、雇用環境の軟化が意識され、ドルの上値を抑える材料となる。また、PPIは、前月比+0.7%、前年比+6.4%と、前回の+1.4%、+6.0%から前月比では鈍化する一方、前年比では伸びの加速が見込まれている。コア指数は前月比+0.5%、前年比+5.4%の予想で、前回の+1.0%、+5.2%から前月比は鈍化、前年比は小幅な加速が見込まれる。前日の米CPIではコア指数が予想を下回り、発表直後にドル売りが進む場面があっただけに、PPIでもインフレ圧力の鈍化が確認されれば米金利低下を通じてドル売り材料となりやすい。一方、予想を上回る結果となれば、インフレ再加速への警戒から米金利上昇・ドル買いにつながる可能性がある。

加藤健一

著者:加藤健一

著者:加藤健一

大手証券会社でリサーチ業務に10年以上従事した後独立し、現在はFX・暗号資産・株式市場を専門とするマーケットストラテジストとして活動。為替・株価・仮想通貨の値動きに影響を与える経済指標、中央銀行の政策、地政学リスク、投資家心理といった要素を多角的に読み解き、タイムリーな市況レポートを発信している。